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DVD レコーダーで MPEG-2 ファイルを作る

(2004年10月10日追加)

パソコンで動画を扱うことの利点は,自由度が高いことである。「こんなことがしたいな」と思ったら,それができるソフトをインストールすればいい。
しかし,パソコンは不安定な道具でもあって,いつも調子がいいとは限らない。また,起動に時間がかかったり,操作手順が面倒だったりする。

やっぱりテレビの録画は DVD レコーダーに任せたほうがいいかもしれない,と最近思うようになった。そこで,DVD レコーダー選びのポイントと,DVD レコーダーで作成したデータをパソコンで編集する方法について,調べてみたので以下に報告する。

[目次]


DVD レコーダーを買うまで

メーカによる特徴

DVD レコーダーを買おうと思ったとき,一般には,

「簡単に使えることを重視するならパナソニックかパイオニア,いろんな使い方ができることを重視するなら東芝」

という定説があるといってよいようだ(2004年10月現在)。

このほか,三菱は起動の速さで勝負,などといった各社ごとの特徴がある。

しかし,当然,これだけで決められるものではない。私は,DVD レコーダーを選ぶにあたって,次の項目をチェックしたい。

DVD レコーダー選択のポイント

ハードディスク容量
250GB くらいは欲しい。
容量を気にせずに録れるというためには,これくらいはあったほうがいいだろう。高画質を追求するなら,容量はまだまだあったほうがいいことになるが,それほど追求しないので,これくらいでいい。
ハードディスクに保管できる番組数(タイトル数)
200くらいは欲しい。 これは,予約可能な番組数とは違う。ハードディスクが管理できるファイル数の上限で,これを超えると容量にいくら余裕があってももう録画できなくなってしまうのだ。
カタログのスペックとしてはあまり大きく記載されていないが,重要なポイントだと思う(もっとも最近の機種はどれもたいてい十分な数を保管できるようだが)。
また,録画した番組の数がどんどん増えることを考えると,それをフォルダに分けて管理するような機能もあってほしい。
DVD ドライブの機能・性能
DVD-R/RW,DVD-RAM が使えてほしい。
DVD-RAM は,パソコンとのデータのやりとりに便利なはず。もっとも,後出のネットワーク機能のある機種なら,ネットワーク経由でデータを渡せるから必須ではないけれど。
どのメディアが使えるかということよりも,むしろ,メディアへの書き込み品質のほうが重要かもしれない。
テレビチューナーの能力
BS アナログチューナーは付いていてほしい。ダブル録画機能も,あればあったほうがいい。
デジタル放送の時代になれば,どうせチューナーを別に用意しなければならないから,BS アナログチューナーなんかあってもしかたがないということになるが,私はデジタル放送が始まっても,アナログ放送のあるかぎりそちらを受信するつもりだ(その理由は「周辺知識 >> デジタルテレビ放送時代の受信・再生・キャプチャ >> デジタル放送になるとパソコンではキャプチャできない?」参照)。だから BS チューナーはぜひ欲しい。
放送が重なってしまった番組の両方を録画できるダブル録画機能(ダブルチューナー)は,2004年春頃の一時的な流行で終わったような気もする。実際はそんなに使わないだろうし,もし重なったら DVD レコーダーとパソコンの両方で録画することで対応する手もある。でも,あったら安心なのは確かなので,付いていると嬉しい。
画質・音質(エンコード能力)
それほど重視しない。
というか,いろいろ書かれているのを見ても,実際のところどうなのかはわからないし,画質はどれくらいのデータ量(ビットレート)で録画するのかによる差のほうが圧倒的に大きいだろうから,常に最高画質で録画する人以外にとっては,あまり意味がないのではないだろうか。
これに関連して一つ書いておこう。どこかのメーカーのカタログで,録画モードを長時間にして(画質を下げて)も,他社と比べて細かい描写が再現できると謳っているものがあった。長時間モードにしてもフレームサイズを小さくしないで踏みとどまる設定にしているらしい。しかしこれだときっと,その代わりにノイズなどが多くなってしまうのではないだろうか。これを他社より優れている点として挙げるのはどうかと思う。
画質(ビットレート)の設定方式
高画質(短時間)の SP モード,低画質(長時間録画可)の LP モードのほか,その上下や中間に何段階かに分かれているのが普通。さらにもっと細かく,ほぼ無段階に設定できる機種もある。
画質・音質(再生能力)
これもそれほど重視しない。
DVD を高画質・高音質で再生したくなったら,別途それ専用にプレイヤーを用意するほうがきっといい。
予約録画の方式
番組表のデータを取得して,その中から選んで予約録画できる機能(EPG)は,不可欠。
この方式にもいくつかあって一長一短のよう。使い勝手に最も関わるところなので,とことん調べたい。
DV 端子
一応あってほしい。
これがあれば,DV カメラの映像を,ごく簡単に DVD-Vide 化できる。全然編集しないで,とにかく見られればいいからコピーをしてほしい,と言われたようなときには,パソコンも使わず短時間で作業が済み,便利だ。
ネットワーク対応
パソコンとネットワーク接続できると便利。また外出先からメールで録画予約できる機能も,あればもしかしたら使えるかもしれない。
並行してできる作業
たとえば,DVD-Vide を作成中でも予約録画ができるか,とか。
どんな使い方をしそうか,想像してみないといけない。
本体サイズ
置き場所をできるだけとらないほうがいい。隙間に置けるような,薄いのがいい。
価格
10 万円以下。
たかが録画して見るためだけのものに,これ以上は出せない。

東芝 RD-XS53,RD-XS43 が有力候補

上記のポイントを検討していくと,購入候補として最有力なのは東芝の RD-XS53RD-XS43 ということになった。

この機種(以下,併せて「現行RD機」と呼ぶ)は,53 は 320 GB,43 が 250 GB と十分なハードディスク容量があるし,扱えるタイトル数も 396 だというから,まあ足りそうだし,フォルダ機能もある。BS チューナーも内蔵だし,地上波チューナーは2つある(つまり,BS+地上波または地上波2つというW録画が可能)。画質(ビットレート)の設定にはマニュアルモード(ほぼ無段階)もあり,DV端子もある。

そして,特筆すべきはネットワーク対応。現行RD機には,現行RD機同士で相互にネットワーク経由のダビングができるという機能がある。そして,この機能を解析して,パソコンにもコピーできるようにするソフト「VirtualRD」というのを作った人がいる。このソフトをインストールして現行RD機と同じネットワークにつなぐと,現行RD機からは,パソコンが現行RD機に見えて,パソコンをコピー先にすることができるというわけだ。これは,パソコンとデータのやりとりをすることが前提となる本サイトの使用目的からすると,とても重要なポイントとなる。

そのほか,ネットワークに接続していると,外出先からメールで録画予約をしたり,録画予約していた番組の放送時間変更をメールで通知してくれたりもするらしい。ただしこれはインターネット上でサーバーとして振る舞うことにより実現される機能なので,使い方に気をつけないとスパムメールの送信に一役買わされてしまうことになったりしかねないけれど。

ちなみに,最初に購入候補に上がったのはパイオニアの DVR-620H-S だった。店頭でいじってみると使いやすそうだったし,単に「DV 端子がある」というだけでなく,そこから映像を取り込む操作がわかりやすく,取り込んだ映像をキビキビ編集できるらしいし(『ビデオサロン』2004年9月号41頁)。それに,DVD-Video のマスターディスクをコピーして配布用ディスクを作成するのにも使いやすい。
しかし,DVD-RAM に対応せず,ネットワーク経由でダビングすることもできないのは残念。これでは,パソコンとのデータのやりとりはあまりスムーズにいかないだろう。DV 端子を利用する手もあるが,パソコンと近いところに設置できるとは限らない。
また,BS アナログチューナーもない。それを求めると,DVR-720H-S になる。これは,しばらくは 10 万円を切ることは期待できない。

東芝 RD-XS53,RD-XS43 に欠けているもの

一方,現行RD機の弱点は,使い勝手の面でいえば,EPG がインターネット接続していないと機能しない方式(DEPGおよびiEPG)であること。これはちょっと珍しい。置き場所を選ぶことになってしまう。

それと,DVDドライブの書き込み品質に難があるとされていることもかなりの問題だ。

また,図体がでかく(厚みがパイオニア 59mm に対し 78mm),起動などが遅いというのもできればどうにかしてほしい。

第1の点については,9月以降発売される機種では ADAMS も併用となって(「WEPG」と称している),インターネットに接続していなくても番組表が更新できる。
また第2の点も,11月中旬発売予定の新最上位機種 RD-X5 で解決されると期待されている。
それが本当なら,RD-X5 は最強機種ということになる。しかしこれだと,価格条件を満たさない。しばらく経っても,10万円を切るところまでは落ちてきそうにない。

ただ,推奨メディアを使えば書き込みに失敗することはそんなにないだろうから,ドライブのことはとりあえずよしとすることもできる。そうなると,近く出ると噂されている,現行RD機を WEPG化などマイナーバージョンアップした後継機種(RD-XS56,RD-XS46)で,ひとまず手を打つことができそうに思う。マイナーバージョンアップだから,これらにも「VirtualRD」は通用するだろうし。

[2005/01/09追記]
その後,噂どおり後継機種である RD-XS46,RD-XS36 が発売された(型番は勘違いしてました。すみません)。
WEPG 化されて使いやすくなったばかりでなくドライブも松下製になったというから,もうほぼ死角はない機種になったといえるだろう。
発売当初は,セカンドのチューナーで録画したときに音飛びがするという不具合があったらしいけれど,それも今は解決しているらしい。
あとは,値段が下がってくれば買って,パソコンとの連携のことなど書けるのだが。

[2008/02/10追記]
DVDレコーダに搭載されているDVDドライブの型番については,【DVDレコーダー】光学ドライブ換装 に詳しく記載されている。

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